ゆるサブ

趣味のこととか日常で感じたことをゆるく書いていく

理系の人が句読点をピリオド・カンマにする理由

はじめに

句読点の代わりにピリオドやカンマが使われた文章を見ると、この文章は理系の人が書いたのかなと思うことがある。

一般の人は、そもそもそんなことを気にも留めないだろうが、一部の人は「句読点をピリオド・カンマにするなんて、意味がわからない。いけ好かない。わざわざ変換してるのかな。」なんて思ったりするようだ。

個人的な考え

あくまでこれは一人の理系大学院生としての意見だが、句読点の代わりにピリオド・カンマを使う理由は次の2つがある。

  1. 数式を文章として扱うため
  2. 統一性を保つため

 まず、一つ目の理由に関してだが、教科書や論文を見てみれば実際にそれが確かめられる。

f:id:miogadani:20210610045627p:plain

https://arxiv.org/pdf/2106.03856.pdf

上の文章はarXivから適当に引っ張ってきたものだが、数式の後にはピリオドとカンマが使われており、文章の一部として扱われるこのようなスタイルが一般的である。 

 しかし、日本語の文章となると話が違ってくる。それは、数式を文章の一部として扱うという共通認識があまりないからである。

 例えば、次のような場合を考えよう。

半径 \(r \) の円の面積 \(S\) は次式で表される。 \begin{gather} S = \pi r^2 \end{gather}
これだけ見てみれば特に違和感はない。

 しかし、英文に従って数式を文章の一部として扱うのならばこうするのが正しいだろう。

半径 \(r \) の円の面積 \(S\) は次式で表される。 \begin{gather} S = \pi r^2。 \end{gather}

ご覧の通り、数式の最後に句点を打つのは気持ち悪すぎる。しかも、これは何らかの数学記号や文字なんかと誤解される恐れがあるので、適切な表現とは到底考えられない。そこで、英文のようにピリオドを使うとどうだろうか。

半径 \(r \) の円の面積 \(S\) は次式で表される。 \begin{gather} S = \pi r^2. \end{gather}

悪くない気がする。ただ、こうなってくると、一つの文章の中に句読点とピリオドが混在することになってしまい、統一感に欠ける。

そこで、日本語の文章にくっついている句読点がピリオド・カンマに変わるという現象が起こる。

半径 \(r \) の円の面積 \(S\) は次式で表される. \begin{gather} S = \pi r^2. \end{gather}

数式が含まれていない文章の場合

 数式が含まれている科学系の文章で句読点がピリオド・カンマに変わる現象については理解してもらえたのではないだろうか。

ただ、「数式が使われていないのに、ピリオド・カンマを使うのは意味がわからない」という意見に関しては、全くその通りだと思う。

そうは言っても、句読点とピリオド・カンマの統一性という点を一度気にしてしまうと、より一般的な文章でも「ん?」と思うことは増えてしまう。例えば、

・空気には、\( \rm{N_2}, \rm{O_2}, \rm{CO_2}, {Ar}\)などが含まれる。
・A君とB君の体重は、それぞれ50, 60 kg だ。

 といったような文章があったときに, 少し違和感を覚える.

このレベルの文章だと, 正直言って句読点かピリオド・カンマかなんて事はどうでもいい話だ. 元々の句読点の役割が, 「文章の可読性を高めること」であることを考えれば, どちらを使ってもその役割は果たしているわけである.

結局、人それぞれの文章に対する美的感覚の問題に帰着してしまうような気がする.

 

理系の文章に限らず, 公文書などではピリオド・カンマを使うことがあるそうだ. その辺りの詳しい背景などを知っている人がいたら是非教えて貰いたいものだ.